Mereology, Topology, and Location最終日

自分のミスもあって、ちょっと残念な最終日になった。それでも、今日も含めて非常に有意義な三日間だったことは間違いない。ここで聞いた話をもとにして二、三本は論文を書けそうな気がする。少なくとも、それぐらいの情報収集ができた。アメリカに来て以来、もっとも密度の濃い三日間だったかもしれない。

とまあこれで今日の更新は終わってもいいような気もするが、今日なにがあったのかもいちおう記録しておこう。
まず、また寝過ごして遅刻。そんなに遅くはならなかったんだけれど、そのせいで、一人目の講演者Peter Simonsのハンドアウトをとり損ねてしまった。終わってから確保したけれど(ちなみに手書き。アメリカに来て手書きのハンドアウトは初めて見た)、理解が行き届かないところがあったと思う。

とは言え、Simonsの講演は非常に興味深かった。内容的には、continuant、occurent、universalというまったく異なる種類の存在者が乱立している状況に対して、抽象原理(フレーゲみたいに)を使って整理するという提案。たとえば、aとbがどちらもあるoccurentの時間的部分であるとき、「§(a)=§(b)⇔aとbは擬同一(genidentical)」という抽象原理によって定義される派生的対象(つまり§(x)の指示対象)として、continuantは定義されていた。面白いのは、同値関係とa、bをいじれば、universalも定義できるし、さらには、フランス革命とかフットボールの試合(英米どっちの意味だろう?)に生じた緊張のようなプロセスやムード(どちらも空間的部分をもたないが時間的部分をもつ)も扱えること。もちろん、Simonsは問題が生じるケースもあげていたが、なんというか、基本的に正しいと感じた。

さて、今日は予定されている講演が三つしかない関係で、Simonsの講演のあとにランチタイムが挟まれていた。たまたまちょっとすることがあったので、時間もあったし、一度アパートに帰ってお昼にして、おもむろに再度会場へ。すると、なぜだが二人目の講演者であるGabriel Uzquianoの質疑応答が行われていた…。なんだかよく分からなかったが、とりあえず席につく。しかし、講演の本体を聞いてないし、また、そのとき質問していたMcDanielもUzquianoも声が小さいもんで、話がよく分からない。そうこうしているうちに質疑応答も終了。すると、司会をしていたDean Zimmermanから意外な言葉が。大トリに予定されていたAchille Varziの講演は、当人になにかあったようで(Deanは「medical issue」と言っていた)、キャンセルされたそうだ(そう言えば、昨日も見かけなかった)。で、そのせいで講演が二つだけになったので、Uzquianoの講演を早めて、その後にランチタイム(というか、MTL自体を終了)ということにしたらしい。スケジュールの周知ができなかったことをDeanは謝っていた。朝一からしっかり出てれば、このスケジュール変更の話も聞けたんだろう。遅刻したのがこんなに響くとは…。

最初にも書いたが、こういうこともあったとは言え、とても満足な三日間だった。できれば、もっといろんな哲学者(特に挙げればParsonsとSimonsとFine)と話をしたいところだが、いまの僕では雑談しかできない。それも無駄ではないかもしれないけれど、そういうことは初日に多少やったし、もうちょっとましな会話がしたい。もしこれからも哲学を続けていければ、また会う機会もあるだろう。そのときに、話のついでに今日のことを話題にできればそれでいい。