メタ存在論セミナー

昨日の日記に書いたようにJasonのセミナーとTedのセミナーはどっちも月曜だったけれども、あの長い日記のあとに追記するのは嫌なので、こっちに。また長いです。
授業の内容は、彼のウェブサイトにあるnoteを参照…では何なので、多少書くことにする。今日は全体の予定と、一階の存在論(first-order ontology)、van Inwagenの話、でLewis & Lewisを途中までいった。

まずはじめはメタ存在論とは何か?という話。これは、存在論がどのような分野なのかが議論されていることに由来する(つまり、メタ存在論存在論を補足するようなことになるのかな)。ある対象が存在するのか?(たとえば数や虚構的存在者は存在するのか?)という問いは、世界の基礎的な構造についての問い(要は、stuffかthingか?というやつ)と、異なる種類に見えるけれどもどちらも存在論の問題とされている。さらには、自然的性質が存在するのかという問いは、それともまた別の種類(そもそも存在論で扱われるべき問題じゃないんじゃないかという意見も出てた)に見える。でも、これも含めてひとくくりに存在論とされる。これをびしっと論じるのは大変だけれども、とりあえずクワイン、カルナップ、フレーゲの名前が付いた三つの立場を中心に見て行く。もちろんこれらがすべてじゃないけれど、この三つがball parkの中で主要な役割を果たしているのは疑いない。

ということで、van InwagenのMaterial Beingsの話へ(どうでもいいですが、「ヴァン・インワーゲン」って聞こえまた)。基本的にnihilismの解説だったので省略。ただ、Ginetを取り上げて細かいメタ存在論の話をしてるところが特に重要らしい。

その後、クワインの議論が紹介されてたけど、忘れた。要は抽象的対象をどうするのか、って話で、Cian Dorrやhartley Fieldは認めるけどそれは大変だよ、ってな感じだったと思う。

そしてLewis & Leiwsの穴の話。これも有名な話なので詳細は要らないと思うけど、面白いことに「・・・」を使った説明の妥当性で白熱した。「singly-perforated、doubly-perfrated、・・・」という説明が可能なのは、自然数の概念を既に知っていることを前提してるんじゃないか、ということ。Tedや長さの概念を前提して説明することもできるから、と言っていた(ここでフレーゲを思い出した。算術と幾何学の区別)。で、そのせいでここで時間切れ。結局、穴はその縁であるという説まで行って終わり。

で、このあとは例によって飲み。一回目なので久しぶりに行ってみたら、East Brunswickの店はやめて、New Brunswickのとある店にしたらしい。前よりさらにうるさいので閉口する。そうそう、この日はDean ZimmermanやJohn Hawthorneは来てなかったけど、FrankとPrincetonのKaren Bennettが来てて、飲み屋ではこの三人で穴の話から大盛り上がり(横でぽつねんと聞いていたけど、うるさくて途中で分からなくなった)。Karenが帰った後、ふと埼玉のK先生の「穴=immaterial object」説を思い出したので、尋ねてみる。これまたあんまりよく分からなかったけど、それなりに盛り上がったのでよしとする。

それにしても、Frankの英語は全然聞き取れない。早口なのもあるけど、ゆっくり言ってもらっても全然コミュニケーションがとれなかった。分かっているけれども、自分の英語力の低さがもどかしい。