この日のTed Siderセミナーの概要

もうかなり忘れてしまったけど、書き忘れを追加。Lewis & LewisのHoleの話の続きからクワインによるカルナップ批判まで。
まず、「穴=穴の縁」説には、縁は穴の周囲に位置するが自分自身の周囲に位置するものはないという問題に加えて、どこまでが穴か分からない(problem of manyの応用)、という問題があるが、Lewis & Lewisは穴を同一性じゃなく同値関係で数えることによって、この問題を回避しようとする。でも、これは奇妙(これはムーア的事実に訴えることの例として出てたんだったっけ?忘れた)。ともあれ、穴の議論は存在論についての典型的な論法がいろいろ出てくる。

これに対して、存在論的問題を消去しようとするのがカルナップ。まずは軽く論理実証主義を説明した後、内的/外的の区別に移る。カルナップにとって存在に関する問いはすべて内的問題となる。そして外的問題はプラグマティックな考察によってただ決定されるに過ぎない。

これに対するクワインの批判が、有名な「規約による真理」と「経験主義の二つのドグマ」。でも、メタ存在論に関する限り「二つのドグマ」は議論は弱い。むしろ「規約による真理」での、規約的真理は既に存在する命題の真理が反映されているだけなのですべてのアプリオリな真理を規約に基づかせることはできない、という批判の方が強力。

と、ここで、Frankから規約的真理に関する反論があったが、詳細は分からず(なんせよく聞き取れないもので)。ただ、同値関係は対称性を含意するので、同値な文を与えることによる還元は、それだけではどちらがどちらに還元されるかが定まらない、という話はあったと思う。で、この議論が長引いてここでタイムアップ。