今日のJason Stanleyセミナーの概略

Jason Stanleyのセミナーに出るために朝から哲学科に行く。みんな↑のクリプキの記事の話をしてる。おかげでJessica Retzを同定できた。やはり初めて見る人だった。

今日は、「みんな『基礎』と『基本法則』をごっちゃにするんだよね」という話から。どうやら去年『基本法則』のセミナーがあったらしい。で、年代順にフレーゲの説明。今日のメインは、二階論理は論理か否か、ということらしい。

まずは、集合とベキ集合の濃度が違うことを示すカントール対角線論法の説明。引き続いてラッセルのパラドックスの説明へ。ポイントは、同じ論法で、二階の量化のドメインと一階の量化のドメインの濃度が異なることが示せる。ということは、二階の量化はいったい何をしてると考えるべきなのか?ここからBoolosのカント的反論、つまりsubstitutionは包括原理と結びつくから総合的、よって二階の論理は論理ではない、という議論が出てくる。

このあとは、『概念記法』眺めつつ、フレーゲの祖先関係や自然数の定義を説明して、フレーゲが分析的ということでどういうことを考えていたのかを確認した。最後は、二階の量化を複数形とみなすBoolosの解釈と、それに対するFieldの反論(性質は複数で済むけど関係は?)と、すべての真理が必然的になるのではという反論(aとbがFを満たすとき、Fはaとbを指示すると解釈するなら、Faは必ず成り立つはず)を紹介したところで時間切れ。

どうも、前回ひとり思いっきり遅刻して行ったので、Jasonに憶えられてしまったらしい。いいことやら悪いことやら。